ぶたぶたと秘密のアップルパイ

書籍
Apple pie with fruits, cut slice isolated. Traditional homemade tasty cake. Apple elements nearby. Fresh bakery. Principal filling ingredient is apple. Baked sweet cooking. Vector illustration

現代社会を舞台に描かれる、ほのぼのとした小説です。

主要登場人物は、“ぶたぶた“さんという豚のぬいぐるみのような見た目で、普通に人間生活をしている年配男性です。

この小説の中でもぶたぶたさんの存在はとても珍しいので、初めて会う方は必ずぬいぐるみと間違え、驚くことから始まります。

こちらの小説の良いところは、設定はファンタジーにも関わらず、ぶたぶたさんのセリフ一つ一つが現代社会にとても必要な言葉だという印象があるからです。

以下は、こちらの小説の中で私が気に入ったセリフを記載いたしますので、ネタバレが苦手な方は、お帰りください。

「悩みって、たいてい『大したことない』って思っているうちにどんどん大きくなるものです。本当に言えなくなる前に言っておいたほうがいい_」

矢崎存美「ぶたぶたと秘密のアップルパイ」光文社文庫、2007年

誰にでも“人に言いたくない““人に言えない“秘密は、必ずあります。

その秘密を抱えることによって、つらい状況になることもあるかもしれません。

意識的でも、無意識的でも、まだ大丈夫とどんどん秘密が積まれていって、いつの間にか自分の中の器に入りきらなくなった時に、人は簡単に壊れます。

秘密は誰にでも共有していいものではないので、秘密を共有できるような信頼できる人と出会えることは、とても幸せなことです。

信頼できるかできないかは、一緒に過ごした時間の長さではありません。

どれだけ長い時間一緒にいても、信頼できない人は信頼できません。

信頼できるかどうかの判断材料は、その人が自分に対して、どういう対応をしてくれたかだと思います。

誠実な対応で、自分のことを受け入れてくれそうだと感じた時に、「この人は信頼できる人だ」と認識するのではないでしょうか。

信頼される人になれるように、自分の周りにいる人への関わり方を考えていきましょう。

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